「イールドファーミングで年利100%って本当?」
「流動性マイニングって何をするの?」
「リスクはどれくらいあるの?」
イールドファーミングは、DeFiプロトコルに流動性を提供して報酬を得る運用手法です。高い利回りが期待できる一方、独自のリスクも存在します。
この記事では、イールドファーミングの仕組み、始め方、稼ぎ方、リスクと対策まで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- イールドファーミングとは何か
- 流動性提供の仕組み
- 始め方と具体的な手順
- 利回りの仕組み
- リスク(インパーマネントロス等)と対策
▶ DeFiの全体像は「DeFi(分散型金融)とは?始め方とリスクを初心者向けに解説」をご覧ください。
第1章:イールドファーミングとは
流動性を提供して報酬を得る
イールドファーミング(Yield Farming)は、DEXやレンディングプロトコルに資産を預けて報酬を得る運用手法です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 別名 | 流動性マイニング、リクイディティマイニング |
| 仕組み | 流動性提供の対価として報酬を受け取る |
| 報酬の種類 | 取引手数料、トークン報酬 |
| 期待利回り | 年利10%〜100%以上(変動) |
流動性提供(LP)とは
DEXでは、ユーザー同士が直接取引するのではなく、流動性プールを介して取引します。
- 流動性提供者(LP)が2種類のトークンをペアでプールに預ける
- 取引者がプールを使ってトークンを交換
- 交換時に発生する手数料がLPに分配される
報酬の仕組み
- 取引手数料:取引ごとに発生する手数料の一部
- トークン報酬:プロトコルが発行するガバナンストークン
- 追加インセンティブ:特定プールへのブースト報酬
第2章:イールドファーミングの始め方
準備するもの
- MetaMaskなどのウォレット
- ETH(ガス代用)
- ファーミングに使う2種類のトークン
基本的な手順
ステップ1:プロトコルを選ぶ
Uniswap、SushiSwap、Curve、PancakeSwapなどから選択。
ステップ2:流動性プールを選ぶ
ETH-USDC、BTC-ETHなど、預けるペアを決めます。
ステップ3:流動性を提供
- DEXの「Pool」または「Liquidity」タブへ
- 「Add Liquidity」を選択
- 2つのトークンを同等の価値で入力
- トランザクションを承認
- LPトークンを受け取る
ステップ4:LPトークンをファーミング
追加報酬がある場合:
- 「Farm」または「Stake」タブへ
- LPトークンをステーキング
- 報酬トークンを獲得
報酬の受け取り
- 手数料収入:LPトークンに自動で反映
- トークン報酬:「Claim」で受け取り
第3章:利回りの仕組み
APRとAPYの違い
| 指標 | 意味 | 計算方法 |
|---|---|---|
| APR | 年利率(単利) | 報酬÷元本 |
| APY | 年利率(複利) | 複利を含めた利率 |
例:月利8%の場合
- APR: 96% (8% × 12)
- APY: 152% (複利計算)
高利回りの理由
- 新規プロトコルの誘客:トークン報酬でユーザーを集める
- 流動性が必要:DEXは流動性がないと機能しない
- 競争:プロトコル間で報酬を競い合う
利回りの目安(2024-2025年)
| プール種類 | APR目安 | リスク |
|---|---|---|
| ステーブル同士 | 5%〜20% | 低 |
| 主要通貨ペア | 10%〜50% | 中 |
| 新規トークン | 100%〜500% | 高 |
第4章:リスクと対策
1. インパーマネントロス
預けた2つのトークンの価格比率が変わると、そのまま保有していた場合より損失が発生します。
▶ 詳細は「インパーマネントロスとは?計算方法と対策を図解で解説」
対策:
- ステーブルコインペアを選ぶ
- 相関性の高いペアを選ぶ(ETH-stETHなど)
- 報酬がILを上回るか計算する
2. スマートコントラクトリスク
プロトコルのバグやハッキングで資産を失う可能性。
対策:
- 監査済みの大手プロトコルを使う
- 分散投資
3. ラグプル(詐欺)
新興プロジェクトでは、開発者が資金を持ち逃げするリスク。
対策:
- 匿名チームは避ける
- 監査レポートを確認
- TVLが十分あるプロトコルを選ぶ
4. 価格変動リスク
報酬トークンの価格が下落すると、実質利回りが低下。
5. ガス代
頻繁な収穫(Harvest)はガス代で利益が消える。
第5章:おすすめファーミング先
安定志向
| プロトコル | おすすめプール | 特徴 |
|---|---|---|
| Curve | 3pool (DAI-USDC-USDT) | 低リスク、安定収益 |
| Convex | Curveをブースト | Curve報酬を最大化 |
バランス型
| プロトコル | おすすめプール | 特徴 |
|---|---|---|
| Uniswap V3 | ETH-USDC | 手数料収入メイン |
| Aave + ステーキング | 複合戦略 | レンディング+報酬 |
高リスク・高リターン
- 新規プロトコルのローンチ時
- L2の新規ファーム
第6章:ファーミング戦略
1. 複利運用(Auto-compound)
報酬を自動的に再投資するプロトコルを使う。
2. マルチチェーン分散
Ethereum、Arbitrum、Polygon等に分散してリスクを軽減。
3. 安定×高利回りの組み合わせ
資産の80%を安定運用、20%を高利回りに配分。
まとめ:イールドファーミングで資産を育てよう
- イールドファーミングは流動性提供で報酬を得る手法
- 取引手数料+トークン報酬で高利回り
- インパーマネントロスが最大のリスク
- ステーブルペアから始めるのが安全
- 分散投資でリスクを管理
適切なリスク管理のもと、イールドファーミングは仮想通貨運用の強力な選択肢になります。
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※この記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。DeFiには元本割れを含むリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新日:2025年12月