「DeFiレンディングって銀行預金より稼げるって本当？」
「AaveとCompoundって何が違うの？」
「どれくらいの利回りが期待できる？」
DeFiレンディングは、仮想通貨を預けて利息を得たり、仮想通貨を担保に借り入れたりできる分散型金融サービスです。銀行を介さず、スマートコントラクトで自動的に貸し借りが行われます。
この記事では、DeFiレンディングの仕組み、主要プロトコルの比較、使い方、利回り、リスクまで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- DeFiレンディングとは何か
- 主要プロトコル（Aave, Compound）の比較
- 具体的な使い方
- 利回りの仕組みと実際の利率
- リスクと対策
▶ DeFiの全体像は「DeFi(分散型金融)とは？始め方とリスクを初心者向けに解説」をご覧ください。
第1章：DeFiレンディングとは
仮想通貨の貸し借りができる
DeFiレンディングは、仮想通貨を預けて利息を稼いだり、担保を預けて仮想通貨を借りたりできるサービスです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 預け入れ | 仮想通貨を預けて利息を得る |
| 借り入れ | 担保を預けて仮想通貨を借りる |
| 管理者 | なし（スマートコントラクト） |
| 金利 | 需給で変動 |
| 担保率 | 通常150%以上 |
銀行とDeFiレンディングの違い
| 項目 | 銀行 | DeFiレンディング |
|---|---|---|
| 金利（預金） | 0.001%程度 | 1%〜10%以上 |
| 審査 | あり | なし |
| 本人確認 | 必須 | 不要 |
| 営業時間 | 平日のみ | 24時間365日 |
| 資産管理 | 銀行が保管 | スマートコントラクト |
レンディングの仕組み
- 貸し手（Lender）がトークンをプールに預ける
- 預けた分のaToken（Aaveの場合）を受け取る
- 借り手（Borrower）が担保を預けてトークンを借りる
- 借り手は利息を支払う
- 利息が貸し手に分配される
第2章：主要プロトコルの比較
Aave（アーベ）
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| TVL | 約120億ドル（2024年） |
| 対応チェーン | Ethereum, Arbitrum, Polygon, Optimism等 |
| 特徴 | フラッシュローン、安定金利 |
| トークン | AAVE |
| 設立 | 2017年（ETHLend）→2020年（Aave） |
Aaveの特徴
- フラッシュローン：無担保で借りて同一トランザクション内で返済
- 安定金利オプション：変動金利と選択可能
- 多くのチェーンに対応：L2でも利用可能
Compound（コンパウンド）
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| TVL | 約25億ドル（2024年） |
| 対応チェーン | Ethereum, Arbitrum, Polygon, Base |
| 特徴 | シンプル、DeFiレンディングの先駆者 |
| トークン | COMP |
| 設立 | 2018年 |
Compoundの特徴
- DeFiレンディングの先駆者
- シンプルな設計
- COMPトークン報酬（現在は縮小）
その他の主要プロトコル
| プロトコル | 特徴 | 対応チェーン |
|---|---|---|
| Spark | MakerDAOエコシステム、DAI借入 | Ethereum |
| Venus | BNB Chain特化 | BNB Chain |
| Radiant | クロスチェーン対応 | マルチチェーン |
第3章：Aaveの使い方
準備するもの
- MetaMaskなどのウォレット
- ETH（ガス代用）
- 預けたいトークン（ETH, USDC等）
預け入れ（Supply）の手順
- Aave公式サイトにアクセス
- ウォレットを接続
- 「Supply」タブを選択
- 預けたいトークンを選択
- 数量を入力
- 「Supply」をクリック
- トランザクションを承認
預け入れ後、同量のaToken（例：aETH）を受け取ります。aTokenは時間とともに増え、利息を反映します。
借り入れ（Borrow）の手順
- まず担保となるトークンを預け入れ
- 「Borrow」タブを選択
- 借りたいトークンを選択
- 借入額を入力（担保率に注意）
- 金利タイプを選択（変動 or 安定）
- 「Borrow」をクリック
返済（Repay）の手順
- 「Dashboard」から借入中のトークンを確認
- 「Repay」をクリック
- 返済額を入力
- トランザクションを承認
第4章：利回りの仕組み
利回りが変動する理由
DeFiレンディングの金利は需要と供給で決まります。
- 借り手が増える → 金利上昇
- 預け手が増える → 金利低下
利回りの目安（2024-2025年）
| トークン | 預入金利（目安） | 借入金利（目安） |
|---|---|---|
| USDC | 2%〜8% | 3%〜10% |
| DAI | 2%〜6% | 3%〜8% |
| ETH | 0.5%〜3% | 1%〜4% |
| WBTC | 0.1%〜1% | 0.5%〜3% |
※金利は市場状況により大きく変動します
利回りを最大化するコツ
- 需要の高いトークンを預ける（ステーブルコイン）
- L2を使ってガス代を節約
- 複数プロトコルを比較
- 追加報酬のあるプロトコルを選ぶ
第5章：リスクと対策
1. 清算リスク（Liquidation）
借り入れ中に担保の価値が下がると、清算（強制売却）されます。
対策：
- 担保率に余裕を持たせる（200%以上推奨）
- 価格アラートを設定
- ステーブルコインを担保にする
2. スマートコントラクトリスク
プロトコル自体のバグやハッキングで資産を失う可能性があります。
対策：
- 監査済みの大手プロトコルを使用
- 分散して預ける
- 全資産を1箇所に預けない
3. オラクルリスク
価格フィードが狂うと、誤った清算が発生する可能性があります。
4. 規制リスク
将来的な規制でサービスが利用できなくなる可能性があります。
5. 金利変動リスク
預入金利は常に変動し、期待した利回りが得られない場合があります。
第6章：レンディングの活用例
1. 単純に利息を稼ぐ
ステーブルコインを預けて、銀行より高い利息を得る。
2. レバレッジ取引
- ETHを担保に預ける
- USDCを借りる
- 借りたUSDCでETHを買う
- → ETHのポジションが増える
※価格下落時は清算リスクが高まります
3. 税金対策
売却せずに借り入れることで、売却益を発生させずに資金を調達できます（日本の税法では注意が必要）。
4. イールドファーミングの組み合わせ
レンディングで得たaTokenを他のプロトコルで運用して二重に稼ぐ。
第7章：始める前のチェックリスト
- [ ] ウォレット（MetaMask）を準備した
- [ ] 公式サイトをブックマークした
- [ ] 少額からテストする予定
- [ ] 清算リスクを理解した
- [ ] 担保率に余裕を持たせる
- [ ] ガス代を確認した
まとめ：DeFiレンディングで資産を働かせよう
- DeFiレンディングは仮想通貨の貸し借りサービス
- 銀行より高い利回りが期待できる
- Aave、Compoundが最大手
- 清算リスクに注意、担保率に余裕を
- L2を活用してガス代を節約
眠っている仮想通貨を預けて利息を稼ぐ。DeFiレンディングは、保有資産を効率的に運用する方法の一つです。
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※この記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。DeFiには元本割れを含むリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。
最終更新日：2025年12月
